四国歩き遍路 (香川編)

 
 
涅槃の道場、香川県。ここまで来ればもうゴールは目前です。香川県は四国四県の中でも最短の150キロほど。宿泊地点も多いため、自分のペースに合った無理のない計画を立てやすいです。香川に入ると6日もすれば88番大窪寺に到着します。無理のない計画を立てて、無事成満を果たしてください!
香川県は距離こそないものの、お寺の密集している地域があるので、参拝に意外と時間をとられてしまいます。御朱印帳をつけている人は17時を回らないように気をつけてください。
 
香川県は取り立てて難所というべきところはありませんが、知っておくと便利な打ち方のできる箇所があるのでそこを紹介したいと思います。
また、88番大窪寺を打った後のことについても少しお話したいと思います。
 
 
◎80番国分寺~82番根来寺の打ち方
80~82番を打つ前日は坂出、宇多津の駅周辺で宿泊する方が多いと思います。そのような場合は同じ宿に連泊して荷物を置かせていただき電車で帰ってくる段取りにすると、80~82番を打つ時は荷物なしで行くとスムーズにお参りできると思います。
また順打ちで行く場合、80番国分寺からの登山道がかなりの急傾斜なので、79→81→82→80という打ち方をするのがオススメです。こうすることで登山道が楽になることに加えて、80番国分寺の目の前に国分駅があるので、そこから出発地点の最寄り駅まですぐに戻ることができます。
次の日は最寄り駅から国分駅まで乗れば前日の続きから歩くことができます。
 
 
◎88番大窪寺を打った後の方針
88番大窪寺で無事にお遍路を成満した後は高野山奥の院へお礼参りをすることが一つの約束事になっています。同行二人としてお遍路の道中ずっと付いて守ってくださっていた御大師様に感謝の気持ちを伝えるのがその由来と言われています。
今後の展開には主に二つの方法があります。一つ目は88番を打ったあと公共交通機関を利用してすぐに高野山奥の院へ向かうというもの。もう一つは1番霊山寺へのお礼参りをしてから高野山奥の院へ向かうというものです。
どちらを取るかは個人によります。お好きな方をお選びになってください。
個人的には88番から徳島の方へ降りていくと10番切幡寺~11番藤井寺の遍路道にぶつかる所がありますので、そこで「文字通り四国一周した」ということにしても良いかと思います。距離はありますが、下り道が続くので3時間半程で合流地点に着くかと思います。ご参考までに。
 
お遍路は「歩いたから偉い、何周も周ったから偉い」とかそういうものではないと思います。「お遍路を通してどのようなところに自分の気持ちを整えて行くか」が大切だと思います。悔いのない様な選択をなさってください。
 
 
 
◎特に印象に残っている宿
 
○八十窪
88番大窪寺のすぐそばにある遍路宿です。夕ご飯には遍路の結願を祝って必ず赤飯を炊いてくださいます。逆打ちでこれからお遍路へ旅立つ人には、旅立ち祝いに赤飯を炊いてくださいます。この宿で結願を果たす人がほとんどなので、自然とお遍路さん同士での会話が弾みます。長かったお遍路の喜びを分かち合えるのはとても幸せな心地がしました。部屋は個室で広かったです。