四国歩き遍路 (高知編)

 
 
修行の道場、高知県。修業の道場というキャッチフレーズは伊達ではなかったです。
高知県の全行程は380キロ程と、四国の中でも最長です。しかもその遍路道のほとんどがアスファルトの上。これはかなり足にきました。
多くの方々が、この高知県で足の調子を悪くしてしまい、「通し打ち(全て一気に回ること)の予定だったけど、いったん帰宅した。」という人や、「宿で2,3日動けなくなってしまった。」なんて人が多くおられるようです。インターネット上ではそういう記述は少ないですが、宿のおっちゃん曰く、かなり多いとの話をあちこちで聞きました。
僕がお遍路している時にも、「高知県に入ったらバスと電車使うことにします。」というお遍路さんがいらっしゃいました。
 
 
高知県にはこれといった難所はありません。しかし、延々と続くアスファルトの道、これが本当に辛い。
アスファルトの道を歩き慣れていないと、足の痛みが抜けないまま次の日歩くことになり、だんだんこれが行き詰ってきて大変なことになってしまいます。
高知県では特に足のマッサージ等を入念にすべきだと思います。
 
 
徳島県では一日歩いていると、少なくとも一ヶ寺はお参りすることになるのですが、高知県に入ると「一日歩いてい一ヶ寺もお参りしない日」があります。
一日ただ歩いてそれでお終い。それもまた一興と思える時期もありましたが、あまりにも続くと「何の為に歩いてるんだろう・・・」なんてことを思うことも少なくありませんでした。
 
 
では高知県での要注意ポイントを整理していきたいと思います。
 
 
◎23番、最御崎寺への道のり
23番の薬王寺から室戸岬まで歩いていくこの道のりは、高知県を修業の道場と思い知らされる第一関門だと思います。
23~24番までは75キロ程ありますので、早い人で二日半、遅い人で3日半~4日とされています。
僕は3日かかりましたが、二日目に無理をしてしまったので、3日目は20キロくらいしか歩くことができませんでした。
 
 
◎27番神峯寺の打戻りの仕方
麓にある宿で宿泊し、荷物を預けさせていただいて、荷物なしで登山するのが一番楽なやり方だと思います。
もしこの付近の宿で宿泊しない場合は、麓のどこかの売店で荷物を預かってくれる所がありますので、そちらを利用しても良いかと思います。
登山口の自動販売機を通り過ぎると神峯寺にたどり着くまで自動販売機がないので水分補給には注意してください!
景色がとてもきれいです。
 
◎37番岩本寺への道のり
36番青龍寺から打ち戻りで行く方が楽です。打ち戻らないでいく場合はアップダウンは激しいので辛いという話をききました。
岩本寺までおよそ60キロなんですが、宿の配置に偏りがあるため、一日に30キロ以上歩けない人は一日余計に宿泊してペース配分を考えることも大切かと思います。
自分の遍路なんですから。
 
 
◎38番金剛福寺への道のり
遠いです。だいたい80キロ程あります。38番~39番へは打ち戻って三原村を通った方が近いため、それを見越しての宿の予約を検討ください。うまく宿をとれば、足摺岬まで宿に荷物を預けた状態であるくことができます。近年、遍路宿は減少傾向にありますので、「繁盛期に宿が取れない」、「オフシーズンは宿をしていない」といった宿があるため、自分の足に自身のない方は早めに宿を確保しておくことをオススメします。
足摺岬から打ち戻らずに月山神社へ行くとなると20キロ近く遠回りすることになりますが、その景色は筆舌に尽くしがたいものと聞きました。時間と体力に余力のあるかたは是非一度お試しください。
 
 
◎39番延光寺への道のり
38番の金剛福寺を打った後打戻って、三原村を通り抜けて延光寺へ向かうのが一番の近道です。38番を打った後打戻りをせずに月白神社を通る場合は、最短距離の三原村を通り抜ける時と比較して20キロ近く多く歩くことになります。月白神社へ向かう遍路道は海沿いを歩くことになり、「常に絶景が広がっている」という風に言われています。時間と体力に余力がある人はぜひ一度足を運んでいただければと思います。
足摺岬がちょうど四国遍路の折り返し地点になります。1番の霊山寺から金剛福寺まで20日で来た人は、88番までは40日で…25日で金剛福寺まで来た人は50日で88番にたどり着く計算です。自分の場合もちょうどこの通りでした。
 
 
◎要らないものは送り返しましょう
できればお遍路を始めてから2週間くらいの時期に、要るもの要らない物を分けて、要らないものは家に送りかえしてしまいましょう。2週間経っても使わなかったものはおそらくこれからも使いません。歩き遍路の場合、荷物削減は必須項目です。軽いに越したことはありません。
 
 
 
 
 
 
◎特に印象に残っている宿
○民宿谷口・・・高知県に入って最初に宿泊した宿です。宿のおばちゃん、おばあさんがとても良心的だったのが印象に残ってます。次の日のお昼ご飯におにぎりも作ってくれました。室戸岬へ向かう道中はコンビにはおろか、自動販売機も満足にない状況が続くので本当にありがたかったです。
 
 
○レインボー北星・・・高知市内にある30番善楽寺の近くにあります。最寄の札所まで送迎してくださるのがとても助かりました。僕は二連泊させていただいて、二日目は荷物を全て宿におかせてもらい、34番種間寺まで荷物なしで歩きました。個室か大広間かを選べるのですが、500円しか変わらないので個室をオススメします。快適です。自転車を無償で貸してくださるので、晩御飯は近場で食べました。帰りが登りできつかったですが(苦笑)
 
 
○農家民宿くろうさぎ・・・38番金剛福寺から打戻り、三原村を通り抜ける前に宿泊させてもらいました。農家民宿という名前からは想像もできないくらいに宿泊するところは綺麗にリフォームされており、とても快適でした。乾燥機も無料で次の日の昼食におにぎりも作ってくれて6500円。かなり良心的です。僕はお酒が飲めなかったので楽しめませんでしたが、どぶろく酒飲み放題です。宿を錐揉みしているご夫婦が大変仲良く、楽しい方々で、夕食の時には幸せな一時を過ごさせていただきました。
四国遍路でTOP3に入るくらい良かった宿です。是非ご利用ください。