お香の種類について

2019年03月27日 08:40

お香とひとえに申しましても多くの種類がございます。まずはお香にはどんな種類のものがあるのか説明させていただきます。

 

●香木・・・香木とは、伽羅と沈香、白檀の三種を指します。これらを小さく割ったり削ったりして、炭火などで温めて香らせます。香道で使われる沈香は、特に上質のものが選ばれます。

 

 

●線香・・・一番身近なお香だと思います。燃焼時間や香りを長く一定に保つために生まれました。各種香料とタブノキの樹皮を粉末にして練り合わせ、線状に押し出しゆっくりと乾燥させて熟成したもの。日本に初めて香木が漂着したとされる淡路島では、現在も偏西風を利用した線香作りが盛んに行われています。線香は使う場所、進物といった使用用途によって様々な種類があります。

 

●焼香・・・香木などの天然香料を細かく刻んで調合したもの。香料の数によって五種香、七種香、十種香とも呼ばれます。白檀、沈香、丁子、鬱金、天然竜脳の五種の組み合わせが基本となっており、そこに他の香料を組み合わせたものが七種香、十種香となります。

 

●抹香・・・大変細かい粉末のお香。古くは仏塔や仏像などに散布していました。現在では主に長時間くゆらせておく香盤、香炉に用いられます。

 

●塗香・・・浄香とも言います。もっとも粒子が細かいお香。手や体に塗って体臭を消し、身を清めるために使われるお香です。現在でも仏教儀式の前には「きよめ香」としてこの粉末を身体に塗ったり、大きく息を吸い込んで体内を清めることが行われています。真言宗では塗香を吸い込むことはありませんが、、、。

 

●練香・・・薫物とも言います。各種の香木や香料を粉末状に刻み、蜂蜜や梅肉などで練り合わせた丸薬状のお香。お茶席では炉の季節に用いられる。炭火などで温めて用いる。

 

●印香・・・印香は、粉末にした香料を梅花形など様々な形に押し固めた香です。浅く軽い香りが多く、夏の季節、茶の湯の席では風路の香りとして用いられることもあります。

炭火などで間接的に温めて香らせるタイプのお香です。

 

 

●匂い香・・・各種の香料を細かく刻み、常温で香りが発散するように配合されたもの。袋に入れて使用する。タンスに入れておくと、防虫効果があり、香りを衣服に移らせることができる。室町時代後期の人々は季節や気候に合わせて自分で好みの香りを調合していたそう。

また、魔除けのために柱にかけたりする。