伽羅について
「伽羅について」
お香に対して詳しくない方であっても、「キャラ」という呼び名くらいは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
お香の最高峰、「伽羅」についてご説明させていただきます。
伽羅はベトナムのごく一部でのみ少量産出される大変貴重なものです。
伽羅は沈香とほぼ同様の生成過程を経ますが、香気や油質が沈香のそれとは別格なため、「伽羅」と区別されています。
沈香は、樹脂が乾燥しているため、熱を加えて樹脂を気化させることで初めて香りを楽しむことができます。しかし、伽羅は沈香には無い独特の粘りがあり、常温でも香っています。また、沈香は長期保管しておくと年間で数mg単位で重さが減少していきますが、伽羅は適切に管理しておけば、重さが変わることはありません。
香道では、沈香を六国(リッコク)として、伽羅、羅国(ラコク)、真南蛮(マナバン)、真奈伽(マナカ)、佐曽羅(サソラ)、寸門陀羅(スモンタラ)に分類します。
その中でも最も品位が高いとされるのが伽羅です。
現在、伽羅の価格は暴騰しています。30年くらい前では1g8000円〜1万円くらいだったのが、今では5万円くらいしています。なぜここまで高くなってしまったかというのはまた別の機会にご説明させていただきます。
とにかく気をつけていただきたいのは、ネットオークションなどで「伽羅」という名前がついて破格で販売されているのもは90%偽物であるということです。よくわからない風流な名前がついていたり、格好良い文章が書かれた年代を感じさせる桐箱に入っていたとしても偽物の可能性が高いです。お気をつけください。
2019年3月現在、本物の伽羅を購入しようと思えば、品質の低い伽羅であっても1g3万円から、高品質な伽羅であれば1g6万円は必要であるということを頭の片隅に置いていただきたく思います。