新伽羅について

2019年04月07日 09:13

インターネットで調べていると、「新伽羅」というものを見つけました。これは伽羅ですか?という質問を受けました。お答え致します。

おそらく伽羅ではありません。もしくは低品質な伽羅です。

 

伽羅ではない最上級の沈香、それを「新伽羅」という名称で販売しておられる、というのが知人の香木店同業者さんの見解でした。ですので、良質な沈香として購入されるのなら結構ですが、伽羅だと思い込ませて購入させたなら詐欺行為にあたるということです。

伽羅の低級品は1g15000円くらいからですので、品質が良いとはいえ、ただの沈香をこの価格帯で販売するのは如何なものかと、というお話を伺いましたので、参考にしていただければと思います。

ちなみに香道では「伽羅としての熟成が浅いもの」を「新伽羅」としているようです。

 

沈香の世界基準がないため、この新伽羅を巡っての線引きは非常に曖昧なところですので、判断が難しいと思います。

ただ一つ言えることは、この「新伽羅」と「高品質な伽羅」との間には一生埋まることのない大きな溝があるということでしょう。お香が好きな方から言わせれば、「新伽羅を聞いて伽羅を分かったような気になられるのは遺憾です」といった具合でしょうか。

 

 

余談ですが、個人的には価格がどうであれ、自分な好きな香りに出会えたのなら、それで十分だと思います。高いから良い香り、安いから悪い香り、そう決めつけるのは如何なものかと私は思っています。マグロでも大トロが好きな方や赤身が好きな方がいらっしゃいます。そこに優劣はありません。

高品質な伽羅の香りというのは本当に素晴らしいものだと思います。しかし、沈香の200倍の値段を出して、200倍の感動があるかと言われれば、甚だ疑問が残ります、、、という文章を打とうと思ったのですが、感動がありましたごめんなさい。

ですが、日常使いには、やはり難しいかと思われます。

 

 

「新伽羅」について皆様に注意していただきたいのは、「必ずしも伽羅ではない」ということです。また、伽羅であったとしてもそれは「低品質な伽羅」であるということです。