白檀について

2019年03月28日 15:19

白檀の木は、インド南部のマイソール、インドネシアのチモール島をはじめとした、太平洋諸島に広く産するビャクダン科の常緑の中高木で、世界中に四百種もの種類があります。

この中でもインド・マイソール産は最高級とされ、老山白檀と言われています。

一本の木でも部分によって色と香りが異なり、心材は淡黄色から褐色をしていて、幽艶でなまめかしい香りが強く、辺材にいくほど白くて香りも少なくなります。つまり、老山白檀の心材が最高級品とされます。

白檀は香木としてそのまま用いられるだけでなく、蒸溜してとられる白檀油(サンダルウッドオイル)は、殺菌作用、利尿作用があるとされています。また、鎮痛、健胃、解熱、食欲増進、黄疸、あかぎれ、しもやけ、淋病に効くと言われ薬用に広く利用されています。

このため、インドや中国では【万病の妙薬】として珍重されており、インドではさらに【けがれ】を祓う香料として粉末を身体に塗ったり、寺院の建築材にも用いられています。

 

以前は日本でも工芸品の素材として扇子や数珠などが作られていましたが、現在はワシントン条約で輸入を禁止されているので、その希少性が増しています。